この映画はイザベル・アジャーニとヴァンサン・ペレーズの美男美女カップルが織り成す愛と官能の歴史ものということで、前から見なくちゃと思っていた作品なのだけど期待以上に良かった! いやー、ホントに美しくて、歴史なんか興味のない人でもこの二人のラブシーンを見るだけで得した気分になれるはず。(もちろん無修正版DVDを借りること) 永久保存の価値がある美しさ。 ヴァンサン・ペレーズ、かっこえーっ(雄たけび風)。 脇を固めている俳優人も大物ぞろいで、いい味出してましたー。 シャルル9世役のジャン・ユーグ・アングラードの熱演もすごいっす。 皮肉なことに息子を過剰に愛する母親のカトリーヌ・ド・メディチがナバール王アンリを殺すために毒を染み込ませた本をシャルルが触ってしまい、彼は全身から血を噴出しつつ死んでいくからねー。ストーリーもえぐいし死に方も壮絶。死にかけてるシャルルの横でマルゴ(イザベル・アジャーニ)が自分の愛人(ヴァンサン・ペレーズ)の命乞いを必死にせがむところも切ない。 マルゴはシャルルの妹なのだけど、この二人には終始近親相姦風な雰囲気が漂っている。というか、マルゴの兄弟みんなが彼女をおもちゃのようにしてもて遊んでいた風な下りもあるし、母親のカトリーヌ・ド・メディチも異常に息子達を愛していて、この近親相姦的なエロスとどろどろした王家の兄弟関係、親子関係も見え隠れして面白い。 ジャン・ユーグ・アングラードってこういう決断力がなくて母性をくすぐる情けない役が異常に似合うよねー。そして何よりうまいっ。 ナバール王アンリ役、ダニエル・オトゥーユもリアルな演技で貢献。 カトリーヌ・ド・メディチ役のヴィルナ・リージは見た目も怖いけど演技もかなり来てました。 重厚な歴史ものとしても見ごたえがあるよ、この映画は。 文豪アレクサンドル・デュマの原作を映画化し、16世紀のフランスで国王シャルル9世を擁するカトリックのヴァロア家と、新教徒プロテスタントのブルボン家による対立が激化する時代を描いていて、殺し合いと毒殺がいたるところで行われる権謀術数の時代。 映画全体の暗いトーンがその時代のおどろおどろしい雰囲気を出している。 特にパリが血の海と化したサン・バルテルミーの大虐殺の凄惨さが恐ろしくリアルに描かれているところが見事。これでもかと言うくらいの死体が出てきて、まさにパリ市内が死体だらけなわけ。えぐいよ~。 フランス国内で数万の命が失われたっていうから、宗教の対立って恐ろしいよね。ま、未だに人類はそれを繰り返しているわけだけど。。。 宗教の歴史って神という名を掲げた殺戮の歴史でもある。 そんな歴史的背景の中で純粋に愛を貫こうとするのがマルゴなのね。 宮廷内のどろどろした人間関係や権力闘争とは関係なく純粋に愛に生きようとする。 でもねラ・モール(ヴァンサン・ペレーズ)との出会いは結構おかしい。 マルゴは王妃だと言うのに男なしでは夜を過ごせないような淫乱女で、ある夜適当な男を見つけるために街に繰り出した際にたまたまピックアップしたのが彼だったというのが関係の始まり。 だから最初のヴァンサン&イザベルの濡れ場はマルゴの身分を隠すために仮面を付けているわけ。またこれがセクシーなんだなー。 ラストのシーンはマジで泣けるっ。身分違いの恋を貫くために、ラ・モールは命がけで王妃を救おうとするのだけどねー、マルゴが彼と再会するときには既に変わり果てた姿に。。。 どわーっ、泣けるだす。 この映画って私のために作られたようなものじゃない??自分のつぼを全て抑えてくれているすごい好みの映画なの。 ハーレークイン色も強く、豪華コスチュームプレイあり、近親相姦あり、えぐい殺戮シーンあり、実力派俳優が脇を固め、美しい女優俳優のセックスシーンもある、エログロな重厚歴史ものラブストーリー。 これは買いだーっ。最高です。 王妃マルゴ 無修正版 / ジェネオン エンタテインメント スコア選択: ★★★★★ イザベル・アジャーニとヴァンサン・ペレーズの濡れ場、ひたすら美しい!16世紀フランスの宗教戦争を背景にした、血なまぐささと絵画のような美しさを併せ持つエログロな映画。 インドシナ / ポニーキャニオン スコア選択: ★★★★ フランス領だったインドシナが舞台。ヴァンサン・ペレーズが大女優カトリーヌ・ドヌーブと共演。やっぱり美しい。。。 カミーユ・クローデル / ジェネオン エンタテインメント スコア選択: ★★★★ 天才彫刻家ロダンの弟子であり、愛人でもあった女性彫刻家カミーユ・クローデルの波乱に満ちた生涯。イザベル・アジャーニが次第に狂気に苛まれていくカミーユを熱演。
by satomi-ny
| 2005-02-26 20:44
| 映画
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